セカンドライフの楽しみ

一昔前までは平日のジャズ喫茶は、休憩時間をたのしむサラリーマンで満席の状態でした。二時間くらいは音質の整ったオーディオ装置の前に陣取り、コーヒー一杯でモダンジャズの名盤をアナログレコードで聴き、次の得意先へ外出するのが営業マンたちの典型的行動パターンでした。お店も儲かり、お客さんも満足して出て行くという良好な関係が長い時代続きました。ところが皮肉にことにITの便利な機能を満載した携帯電話の登場によってサラリーマンの行動が一挙手一投足監視されるようになってからこの習慣はなくなってしまいました。

営業マンはきついスケジュールを従って得意先を廻り、くたくたに疲れて会社へ戻る日常生活を余儀なくされるようになりました。平日のジャズ喫茶は往年の活気を半ば失ってしまいましたが、会社をリタイアしたかつての企業戦士は毎日ジャズ喫茶へ通い、現役世代気分的にゆっくりすることがでなかった分、こころゆくまで自分の好きなジャズに浸って時間を過ごすことができるようになって多忙な頃とは違った状況でさらにジャズを聴きこむことによって新たな感動を見出そうとしています。

定年退職すると暇を持て余すと言われる企業戦士たちも、ジャズファンのように現役時代から何か没頭できるものを持っているとリタイアしても充実したセカンドライフを送ることができます。もっとも優秀なサラリーマンは無理に趣味を探さなくてもすでに長年に渡って仕事と趣味を両立させている人が多いように見受けられます。
ITの出現によって行動が制約されるのは残念ですが、自己が確立している人にとっては余り影響ないのかもしれません。

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